家紋の世界には、向い蝶という紋が実際にありますが、護王神社のそれは格式高い藤紋です。
京都御所の蛤御門の西に鎮座する護王神社。
桓武天皇に平安京遷都を進言し、その造営に貢献した和気清麻呂が祀られている社です。慈善活動に邁進した清麻呂公の姉・和気広虫も御祭神として名を連ねます。
藤の花は、蝶に似た形の小さい花が集まって蔓を形成します。
たおやかに垂れるその姿は美しく、かの「源氏物語」にも藤花の宴を催したことが記されています。
ガラスケースの中には、猪の奉納品が並んでいました。
御祭神の和気清麻呂を、その窮地から救ったことにより、古来より崇拝の対象になっている猪(いのしし)。イノシシ神社と呼ばれる所以ですね。
こちらにも向い四つ藤の紋が見られます。
藤紋の中でも、上り藤や下り藤は数多く見られますが、向きあう形の紋は珍しいのではないでしょうか。
護王神社へのアクセスは、市バス・京都バス 烏丸下長者町徒歩すぐ、地下鉄丸太町駅徒歩約7分となっています。
そう言えば、坂本龍馬の紋は「組み合わせ角に桔梗紋」でしたね。京都観光の見所の一つとして、家紋の世界を辿ってみるのも面白いのではないでしょうか。