化野念仏寺の説明書き。
化野念仏寺は「あだしのねんぶつじ」と読みます。
化野念仏寺の住所は、京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17です。
この辺りは、萱葺きの民家が並んだ風情ある町並みが続いています。
嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区に指定されていて、歴史の深さが伝わってくるエリアです。
こんな素敵な建物に出会えます。
屋根のアップ写真(笑)
京都三無常のひとつ、化野は風葬場として知られます。
風葬(ふうそう)とは、死体を空中にさらす葬法のことです。
原野の他にも、樹上・崖・洞窟などでも行われていたようです。
化野念仏寺の起源は、弘法大師が死者の菩提を弔うために「五智山如来寺」を建てたことに始まります。
その後、法然上人によって念仏道場に改められて現在に至ります。
奥嵯峨にある化野念仏寺へは、野宮神社を起点とする奥嵯峨の道をてくてく歩いて行くのがおすすめです。
あるいは、京都バス停鳥居本から徒歩で4分ほどでアクセスできます。
化野念仏寺の「千灯供養」は晩夏の風物詩として有名です。
8月23日と24日に、境内に並ぶ8,000体の石仏に灯りが点される光景は幽玄そのもの。
化野(あだしの)っていう地名には、どこか奇異な感じがしますよね。
「あだし」は「徒し」・「空し」とも書きます。
空しい、実がない、はかないといった意味を持つ言葉です。
実意のない薄情な男のことを「あだし男」と言ったり、浮気な女のことを「あだし女」と表現していました。
化野という地名ですが、元々は「徒野」と書かれていたようです。
かの有名な徒然草にも、「徒野の露きゆる時なく~」という文言が見られます。
その昔、愛宕山の麓にあった墓場。
無常の原のことを「あだしが原」ともいいます。
化野念仏寺には、古来日本人が抱き続きてきた無常観が実によく似合います。