京都の繁華街である四条通を南へ下ると、仏光寺通という通りが東西に走っています。その仏光寺通の南に浄土真宗佛光寺派の本山があります。賑やかな通りから一歩入ると、そこに歴史を感じさせるお寺が佇んでいる。いかにも京都らしい、ちょっとした穴場を感じさせる観光スポットです。
佛光寺の寺紋とされる佛光寺下り藤。
藤紋の一種なわけですが、その独特のデザインから仏光寺藤とも呼ばれています。
佛光寺の漢字表記ですが、通りの名前が仏光寺通で、お寺の名前は佛光寺と書くのが正しいようです。
龍の居る手水舎から阿弥陀堂を望みます。
阿弥陀堂には、佛光寺ご本尊の阿弥陀如来が安置されています。
藤紋は佐藤、伊藤、近藤さんなどの藤の付く苗字の家紋に多く見られますが、藤紋を大別すると、上向きの上り藤と下向きの下り藤に分けられます。歴史的には下り藤の方が古く、格式の高さがうかがえます。一方の上り藤は後で作られたため、運の上昇が祈願されていると言われます。
佛光寺の御正紋は、ご覧の通りの下り藤です。
手水舎の後ろに目をやると、「佛光寺一山 文化財レスキュー器材」と書かれた紙が貼られていました。
どうやら京都市による文化財防火運動のお知らせのようです。
境内の至る所に「佛光寺下り藤」の御紋が見られます。
佛光寺の歴史は、親鸞上人が流罪の後に、京都の山科に一宇を構えたことに始まります。親鸞上人の記念すべき再出発に深く関わる佛光寺。そう考えるだけでも、大変歴史的に意義深いものを感じます。
阿弥陀堂の東に佇む大師堂。
親鸞上人坐像が収められているお堂です。
僧に非ず、俗に非ずの非僧非俗の考えを実行に移した親鸞上人。僧として初めて妻を娶ったことでも知られます。ともすれば誤解されがちな他力本願の教えには、苦しみ抜いた親鸞の悟りの境地が垣間見えます。
佛光寺の近くには、人気ホテルのホテル日航プリンセス京都があります。
京都の一大観光エリアである東山にも程近く、京都を徒歩で満喫するならおすすめのホテルです。
佛光寺の山号は渋谷山と言います。
渋谷という地名は、東京の渋谷もそうなんですが、起伏に富んだ土地をイメージさせます。山あり谷あり、とでも言うのでしょうか。周辺には坂道もたくさん見られるような場所に渋谷という地名が多いように思われます。
現在の佛光寺周辺は、どう見ても平地です。
この山号はおそらく、親鸞が再出発の地に選んだ山科の地に由来するのではないでしょうか。あくまでも個人的見解に過ぎませんが、どうもそのような気がするのです。
六葉の意匠にも、佛光寺の寺紋である佛光寺下り藤がデザインされていますね。
鑑賞に堪え得る細部のデザインは、寺社参拝の楽しみの一つでもあります。
佛光寺御影堂門。
切妻四脚門に造られており、扉や脇、腰の各所に美しい彫刻が見られます。
京都市下京区に位置する佛光寺の地図をご案内致します。佛光寺参拝の際は、どうぞご参照下さい。