祇園白川に鎮座するなすあり地蔵菩薩。
白川沿いを歩いていて、面白い名前のお地蔵様を見つけました。
なすあり地蔵。
花見小路の一角にぽつんと佇みます。
なすあり地蔵様はなんと、白川の川底から掘り起こされたそうです。
1954年の水道管工事の際、何百年もの間、そこでじっと耐え忍んでおられたであろう一体のお地蔵様が姿を現しました。
なすあり地蔵の脇にある有済橋。
白川に架かる橋で、宿泊施設の祇園新門荘さんの門前斜め前に位置しています。有済(ゆうさい)橋と読みます。
この辺りには、京都市立有済小学校という地元の小学校があります。
そこの小学校の校歌に ”たえてしのべばなすあり” というフレーズが出てきます。
中国の書経から引用された言葉のようです。
「済す有り」。
道路の名称もなすありの径なんですね。
長い年月の間、川底で耐え忍んでこられたお地蔵様と「有済」・・・それに「なすあり」が結び付きます。
道端のお地蔵様にも興味深いエピソードが隠されているものですね。
京都の奥深さが、益々胸に沁み入ります。