京都御所の西側の烏丸通沿いに、和気清麻呂と和気広虫を主祭神とする護王神社が鎮座しています。境内には数多くのイノシシの姿が見られます。
護王神社のイノシシ。
十二支の亥年ともなれば、数多くの参拝客が訪れることで知られる護王神社。来年度の干支である辰の大絵馬が飾られていますね。
境内にはこんなイノシシも(笑)
一本の木に数多くのイノシシの顔が彫られています。「飛翔親子猪」と書かれていました。
猪のコレクションも半端ではありません。
ガラスケースの中に様々な猪が勢揃いしていました。
そもそも、なぜ護王神社にはイノシシが祀られているのか?
その疑問を解く鍵は、護王神社の御祭神である和気清麻呂にあります。
和気清麻呂が宇佐八幡宮神託事件で流罪になった際、300頭の猪に災難から護られ、さらには不思議と痛めていた足が治ったという故事が残されています。
宇佐への配流の際、道鏡から送り込まれた刺客に襲われた和気清麻呂。
その時、突如現れた300頭の猪によって難事を救われたのです。このエピソードにちなみ、明治23年(1890年)から狛犬の代わりに「狛猪」が置かれています。
烏丸通沿いの鳥居脇を固める狛猪。
躍動感のあるイノシシが、護王神社の入口を守ります。
座立亥串(くらたていぐし)。
本殿中門の両側にある御神木(おがたま)招魂樹の根本に、護王神社の神の使いである霊猪が座しています。これを座立猪と愛称し、願掛猪と信仰されています。
座は蔵に通じ、座立亥は蔵立猪となり、亥は意に通じ、亥串は意奇思ともなります。
イノシシの向こう側に、和気清麻呂の姉に当たる和気広虫が描かれていますね。
広虫姫は宮中の女官として数代の天皇に仕え、厚い信頼を受けた人物として知られます。彼女はたいへん慈悲深い女性であったといわれ、戦乱で生じた多くの孤児を引き取って養育しました。そのため「子育て明神」と呼ばれ、子育て・育児の神として多くの人々の信仰を集めています。