平安神宮はパビリオンだった。
これは事実です。
平安京が出来てから1100年目に当たる1895年(明治28年)、平安建都千百年紀念祭が催されました。
その際に挙行された、内国勧業博覧会の中心施設こそが平安神宮だったのです。
博覧会の建物、要するにパビリオンが平安神宮そのものなのです。
平安神宮に参拝してみると分かりますが、確かに建物が少し粋な感じがします。
歴史ある建造物が多い京都にあって、どこか異質のものを感じさせます。
平安神宮は桓武天皇を祀っています。
794年に平安京を造らせた桓武天皇が礼拝の対象になっています。
ところが、”ご祭神を桓武天皇とする”、というのも後から決められたことなんだそうです。
内国勧業博覧会の主会場として使われたこの建物には、大変な人気がありました。
博覧会後に取り壊すのはもったいない・・・そんな声が上がったと云います。
解体はされず、後世まで残すこととなりました。
保存することを名目に、このパビリオンは神社の社殿となったいきさつがあります。
蒼龍楼と白虎楼。
一対の楼閣が平安神宮の左右両翼から飛び出しています。
屋根の上に5つの塔屋・・・
実にド派手な演出が試みられています。
竜宮城を彷彿とさせる造りは、博覧会のパビリオンならではの意匠です。
神戸のポートピア博、愛知万博等々・・・博覧会跡地に行ってみれば、新たな発見があるかもしれませんね。
平安神宮の新たな一面を垣間見たような気がしますね。