縁結びの神様で知られる京都の地主神社境内に、悪運を祓う人形祓い(ひとがたばらい)のコーナーが設けられています。
自分の身代わりとなってくれる紙の人形に息を吹きかけ、悪運や悪縁を断ち切ります。上半期の穢れを払い落とす茅の輪神事などの時にも、人形祓いをする習慣がありますが、それとよく似た感じのお祓い所です。
木の桶に水が張られ、その中に溶けた人形が浮いています。
奈良時代には宮廷でも行われていた由緒ある魔除けのお祓い。人形祓いの神事には、古来より人々の願い事を叶えてきた歴史があります。古式ゆかしいお祓いの儀式に、現代の若者たちが群がります。
人形祓いの人形(ひとがた)。
奉納料は1体200円のようです。
自分の分身となってくれる人形ですから、丁重に扱いたいものです。
清水寺の舞台から地主神社へと通じる場所に、芙蓉と思しき蕾が見られました。
地主神社の境内はいつも若い女性で賑わっています。恋愛成就の神様として、その人気は日本国中に広まっているのではないでしょうか。日本屈指の観光スポットである清水寺に隣接する立地条件も、その知名度を後押ししています。
人形祓いの案内板。
外国人観光客も数多く訪れる地主神社とあってか、ちゃんと英語表記もなされています。
dissolve in water の文字が見えますね。
紙が水に溶けたら、願い事が叶うといった意味合いでしょうか。辞書を紐解いてみると、「砂糖は水に溶ける」を 「 Sugar dissolves in water. 」 と表現します。地主神社の人形は、どうやら水に溶ける素材の紙で作られているようです。
とろっとした感じに溶けていますね。
逆に溶けない場合もあるのでしょうか?
科学的に考えるならば、まずはあり得ない現象なのかもしれませんが、そこはやはり普段の行いが悪ければ、溶けないこともあるかもしれないとする方が面白いのかもしれません(笑)
地主神社ではすっかりおなじみの恋占いの石。
縁結びを願う時もあれば、縁切りを願う時もあります。
縁切り神社の安井金比羅宮はあまりにも有名ですが、地主神社で縁切りを祈願するなら、人形祓いに願いを託してみてはいかがでしょうか?