二条城の二の丸御殿。
二条城は1994年にユネスコの世界遺産に登録されています。
二条城の見どころはたくさんありますが、国宝に指定されている二の丸御殿はその中でも特筆すべきものがあります。
二条城は徳川家康が造営し、3代将軍家光が完成させたお城です。
1603年に京都御所の守護と、将軍上洛の際の宿泊所として造営されました。
その後、家光が伏見城の遺構を移すなどして1626年に完成。
二の丸御殿は、堀川通に面した東大手門を入ってすぐの所にあります。
桃山文化の華麗な武家風書院造。
車寄に続いて遠侍(とおざむらい)、式台(しきだい)、大広間、蘇鉄の間、黒書院、白書院の6棟が東西から西北の方向へ雁行に並んでいます。
雁行(がんこう)とは空を飛ぶ雁の行列のことで、斜めにきれいに並んでいる様子を表します。
二の丸御殿車寄せの美しい欄間彫刻。
表裏のデザインが異なっているそうです。
実に立派!
二の丸御殿の部屋数は33、畳は800畳余りにも及びます。
狩野派による豪華絢爛な障壁画はあまりにも有名です。
誠に残念ながら、二の丸御殿内の撮影は禁止されていますので、その障壁画の写真はアップできませんが、一度ご覧になられることをおすすめ致します。
狩野派の障壁画は部屋の目的に応じて描かれています。
その違いに着目してみるのも面白いかもしれませんね。
例えば、城へ参上した大名の控え室になっていた遠侍の間には虎が描かれています。
遠侍一の間から三の間まで、全て畏怖を感じさせる勇ましい虎が描かれているのです。
別名虎の間とも呼ばれていますが、その意図するところがなんとなく想像できます。
将軍の居間兼寝室になっていた白書院には、優しいタッチの水墨画が描かれていました。
白書院は二の丸御殿の一番奥に位置する棟にあります。
将軍とお付きの女性のみが出入りすることを許されていた場所です。
二の丸御殿の廊下を歩いていて気付くことがあります。
キュッキュと音が鳴るのです。
鴬張り(うぐいすばり)の廊下になっていて、外敵の侵入を防ぐためとも云われています。
廊下を歩くと音が鳴る秘密は「目かすがい」にあります。
床板と根太の間にはめられた「目かすがい」が上下に動いて音を鳴らしているのです。
江戸の昔とはいえ、見事な工夫が凝らされていますよね。
二の丸御殿の中で最も豪華な造りの部屋はどこかご存知でしょうか?
大広間一の間です。
将軍が諸大名に対面した部屋とされます。
1867年の10月、15代将軍徳川慶喜が”大広間一の間”に諸大名を召集し、歴史的な大政奉還を発表しました。
徳川幕府の幕を閉じた場所として有名です。
二の丸庭園。
小堀遠州の作と伝えられる書院造庭園です。
池の中央に蓬莱島。
蓬莱島を挟んで左右に、鶴亀を見立てた島を配しています。
二の丸御殿の大広間、黒書院、行幸御殿の主に三方から眺められるように工夫されています。
二条城の入城時間は午前8時45分から午後4時(閉城午後5時)です。
二の丸御殿は少しだけ時間短縮されていて、午前9時から午後4時までとなります。
入城料は600円です。