廬山寺の境内に角大師の護符が貼られていました。
頭に二本の角を持つ魔除けの護符。
廬山寺を開いた元三大師(がんさんだいし)の霊験あらたかなお守りです。
角大師。
骨と皮に痩せこけた鬼の姿をしています。
厄除けのために戸口に貼る家は多く、比叡山の麓の坂本や京都の民家に多く見られます。言い伝えによると、この角大師は廬山寺の開祖・良源(元三大師)が鬼の姿に化して疫病神を追い払った時の像であると伝えられます。
京都御所の東隣、寺町通沿いに佇む廬山寺。
938年に寺を開いた慈恵大師良源(912~985)が、1月3日に亡くなったことから元三大師と呼ばれています。命日から今に伝わる通称が生まれたのですね。
比叡山中興の祖とされる元三大師。
廬山寺(廬山天台講寺)は天台系圓浄宗の大本山とされます。
第18代天台座主の元三大師は、堂塔の再建など数多くの業績を残しています。「お大師さん」といえば、真言宗では弘法大師ですが、天台宗では元三大師のことを指します。
角大師にしてもそうですが、元三大師はよく鬼に例えられます。
非公開の厨子の中には、元三大師像の御前立として「鬼大師」が収められています。鬼大師は、宮中の女官たちの酒宴を鬼の形相で戒めた姿であると伝えられます。
元三大師は、おみくじの創始者としても知られます。
京都の民家の戸口で「角大師」を見つけたら、謂われの多い元三大師のことを思い出してみましょう。