三足の蛙(みつあしのかえる)をご存知でしょうか?
本能寺の変の前夜、織田信長公に身の危険を知らせるかのごとく、突然鳴き始めたと言われる伝説の蛙です。生きた蛙ではなく、蛙を模った香炉であることも、このエピソードに箔を付ける原因の一つになっているのではないでしょうか。
「本能寺と美の世界」に案内される三足の蛙。
正式名称を ”唐銅香炉「三足の蛙」” と申します。
名前に唐と付いていることからも分かるように、中国伝来の香炉ではないでしょうか。古来より、後ろ足が一本の蛙には不思議な霊力が宿るとされます。背中の上には、角のない龍のような幻獣が乗っかっています。
本能寺の寺紋。
手前が鶴の丸、向こう側が結び雁金ですね。
本能寺境内にある信長のお墓。
本能寺の変で最期を遂げた織田信長。
鳴き続けた三足の蛙は、蜀江(しょっこう)の錦で覆うことにより、ようやく鳴き止んだと伝えられます。今も大寶殿宝物館に於いて見学することのできる三足の蛙。写真撮影が禁止されている寺宝ですが、三足の蛙を模した文鎮などが売られています。
それにしても、なぜ三本足なのでしょうか?
後ろ足が一本だと、飛び跳ねる力が足りないのではないか・・・と余計な心配をしてしまいます(笑) 本能寺の三足の蛙に限らず、元来カエルは縁起の良い生物とされています。奈良の率川神社にも蛙石が置かれています。民家の庭石などにも蛙を模した石がよく見られます。
本堂前の提灯。
本能寺参拝の際には、寺宝である三足の蛙を拝観することをおすすめ致します。織田信長の身に迫る危険を察知した蛙です。並々ならぬパワーを感じるのではないでしょうか。
◇織田信長の紋・織田木瓜紋 胡瓜の切り口に似た、唐花の家紋!