嵐電に乗車して聖徳太子建立の広隆寺へ向かいます。
太秦広隆寺の駅を下りると、線路の北側に広隆寺の南大門が見えます。仁王像が身構える南大門をくぐると、真正面に講堂(赤堂)があり、そのすぐ東側に鐘楼が建っています。
広隆寺の鐘。
広隆寺のパンフレットによれば、鉄鐘が重要文化財であると紹介されています。鉄の鐘・・・これがその鉄鐘なのでしょうか。境内の片隅にひっそりと佇む鐘には、歴史の重みに裏打ちされた重厚感が伝わって参ります。
講堂の横に柑橘類の実が成っていました。
広隆寺参拝に訪れたのは、暮れも押し迫った12月の末頃です。柚子をはじめとした柑橘類の美味しい季節ですが、境内に成るこの実は何の実なのでしょうか?
向こう側に鐘楼が見えていますね。
鐘楼の蛙股に注目してみました。
牛の上に乗った人が笛を吹いているのでしょうか?
これは京都の三大奇祭に数えられる太秦の牛祭を表しているのかもしれません。推測の域は出ませんが、蛙股に施されたデザインは、何かしら広隆寺に関係のあるものではないかと思われます。
鐘楼の近くには井戸のようなものも見られます。
結界の張られた井戸を見ると、普通の井戸でないことは誰の目にも明らかです。何を意味する井戸なのでしょうか?現在は境内から西の民家の中にある「イスラエルの井戸」と言われている、いさら井(伊佐良井)とも何か関係があるのでしょうか。
この井戸も講堂の裏手にあり、通常の参拝順路からは外れたルートの中に存在します。興味津津ですね。
広隆寺の鐘をよく観察してみると、法具の五鈷杵のようなデザインが見られます。
広隆寺の宗派は真言宗系単立ですから、密教法具が描かれていても不思議ではないということになるのかもしれません。
広隆寺の井戸と講堂。
講堂も重要文化財に指定される建物で、中には国宝の阿弥陀如来坐像が安置されています。
広隆寺のすぐ近くには、秦氏ゆかりの広隆寺鎮守・大酒神社や、時代劇でおなじみの京都太秦映画村などがあり、京都屈指の観光エリアを形成しています。
拝観料は必要になりますが、広隆寺の新霊宝殿には国宝第一号の弥勒菩薩半跏思惟像をはじめとする多数の仏像が収められており、仏像ファン必見の場所となっています。三十三間堂の仏像群にも圧倒されましたが、広隆寺の新霊宝殿に安置される仏像のオンパレードも一見の価値があります。