養源院本堂。
養源院といえば、血天井と俵屋宗達の杉戸絵が有名です。
俵屋宗達の杉戸絵。
自刃した将士の英霊を慰めるために「お念仏、御回向」にちなんだ絵を描いたものです。
写真の獅子は金色をしていますが、この獅子の右側には白色の獅子が描かれています。杉戸の上に直接描かれている杉戸絵、実に素晴らしい出来栄えです。
養源院の門。
お隣りの三十三間堂に比べ、ひっそりとした質素な雰囲気を漂わせます。
血天井の立て札と、その向こう側に見える三十三間堂の塀。
生々しい伏見城の遺構を見学することができます。
養源院の門をくぐると、すぐ右側に白衣弁財天が祀られていました。
淀君によって創建された養源院ですが、のちに火災に遭い焼失してしまいます。
すると、淀君の妹である崇源院が伏見城の遺構を移して再建することになります。
徳川家の菩提所にもなっていて、歴代将軍の位牌が祀られていることでも知られます。
関ヶ原の戦いの前哨戦とも云われる伏見城落城の際、鳥居元忠以下の武士が城を死守しながらも、最後は自刃して果てることになります。
切腹により血に染まった廊下が、天井板として今も使われています。
養源院のガイドの方が長い棒を持って、「これが頭、手の跡・・・」という具合に説明をして下さいます。
皆の切腹を見届け、最後に自刃した鳥居元忠の死に跡もくっきりと残されており、実に生々しい遺構に息を呑みます。
養源院の案内板。
杉戸絵には獅子のみならず、象やキリンも描かれています。
心の穏やかそうな象、当時はまだ実物が知られていなかったためか、首の短いキリンなども杉戸絵として描かれています。
太閤秀吉の学問所とした牡丹の間が、本堂の玄関左側にあります。
天下の盗人である石川五右衛門が捕らえられた間としても知られます。
養源院本堂の廊下に張り巡らされた鴬張廊下(左甚五郎作)に、さすがの石川五右衛門も気付かなかったそうです。
見どころいっぱいの養源院。
京都観光のルートに加えてみられてはいかがでしょうか。
養源院の拝観料は500円。
駐車場はありません。
アクセスは市バス博物館三十三間堂前下車すぐとなっています。